のどの不調に効く漢方薬
2025.10.06

■「のどが痛い」「声がかすれる」「乾燥してイガイガする」…
そんな不調は単なる風邪や乾燥だけでなく、体質や全身のバランスの乱れが関わっていることが多くあります。
特に声を日常的に使う方にとって、のどの健康は仕事や生活に直結する重要なテーマです。
西洋医学の治療や市販薬も有効ですが、漢方医学は「のどという局所」だけでなく、「身体全体のバランス」を整えることで、根本的に声を守るアプローチを取ります。
本記事では、東洋医学的な観点からのどの不調を整理し、症状別の漢方薬や体質に合わせた選び方、予防・養生法まで詳しく解説します。
■漢方における「のどの不調」の考え方
漢方医学では、人の身体は「気(き)・血(けつ)・水(すい)」という3つの要素によって成り立っていると考えます。これらがバランスよくつくられ、体内を巡り、不要なものがきちんと排出されることで健康が保たれます。
不快な症状や体調不良の原因は、主にこの「気・血・水」のバランスの乱れから起こることが多いです。どれかが不足したり、過剰になったり、巡りが滞ることで、さまざまな不快症状や体調不良が生じるとされています。

♦気:生命活動の源となるエネルギーのこと。
身体を温めたり動かしたりする“見えない力”、まるでエンジンのような働きを持ち、免疫力や内臓の働き、精神の安定にも深く関わっています。
元気・やる気・気力といった言葉に含まれる「気」も、この概念を表しています。
♦血:血液そのもの を指し、身体の隅々まで栄養や酸素を届ける働きを持つ、“生命の源” のような存在 です。
身体に栄養と潤いを与え、心身を養い、心を落ち着かせる役割も担っています。
♦水:血液以外の体液(リンパ液・唾液・汗・尿・涙など)を指し、身体を潤す “みずみずしさ”の要素 です。
体内の水分バランスを保ち、関節をなめらかに動かし、臓器を適度に冷やす潤滑油のような役割を担っています。
この3つはお互いに影響し合っており、バランスが崩れることで、さまざまな不調や病気の原因になるとされています。
また、五臓六腑との関わりも重要です。
東洋医学において「五臓六腑」は、からだと心のバランスを保つために重要な内臓の働きを指します。

◊「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」は、体内の気・血・水を管理し、精神や免疫にも深く関わります。
◊「六腑(胆・胃・小腸・大腸・膀胱・三焦)」は、消化・吸収・排泄など、物質の流れや代謝に関与します。
これらの働きのバランスが崩れると、身体の巡りが悪くなり、のどの粘膜や気道の防御機能が低下します。
その結果、乾燥・炎症・痛み・痰・声枯れ など、さまざまなのどの不調が起こりやすくなります。
特に、
♦肺(呼吸器・皮膚) は、外からの刺激や乾燥に対するバリア機能を担い、のどの潤いと関係します。
♦脾(消化器・免疫) は、体のエネルギーをつくる源であり、免疫力や回復力を左右します。
♦腎(生命力・体の潤い) は、体全体のエネルギーを支え、のどの乾燥や声のかすれにも関与します。
このように、のどの不調は単なる局所の問題ではなく、五臓六腑のバランスの乱れが原因となっていることが多いのです。
さらに外的要因(風邪・燥邪・熱邪などの「外邪」)も加わると、急性の炎症や乾燥が起こりやすくなります。
■のどに使われる代表的な漢方薬
| 症状 | 特徴 | 東洋医学的な原因 | よく使われる漢方薬 | ポイント |
| のどが乾燥・イガイガ | 空気の乾燥・長時間発声で潤い不足 | 陰虚・津液不足 | 麦門冬湯 | 肺陰を補い潤いを増す。歌手や声優に愛用される処方 |
| のどが痛い・赤い | 炎症・熱感が強い | 風熱の邪が侵入 | 桔梗湯、銀翹散 | 炎症を鎮め、痛みを和らげる |
| 痰がからむ・咳が続く | 粘り気のある痰、つかえ感 | 脾虚による痰湿・気滞 | 半夏厚朴湯 | 気の巡りを良くし、痰やつかえを改善 |
| 声がかすれる・枯れる | 長期の声の酷使・慢性乾燥 | 肺腎陰虚 | 養陰清肺湯 | 潤いを補い、声の持久力を支える |
👉 同じ「のどの痛み」でも、体質や原因によって処方は全く変わります。これが漢方の大きな特徴です。
声をよく使う人におすすめの漢方活用法
・歌手・声優:乾燥対策に麦門冬湯、普段からの潤い補給を意識
・教師・講師:長時間の発声で詰まりやすい → 半夏厚朴湯
・営業・接客業:外気や冷暖房で乾燥 → 桔梗湯で炎症予防
<予防的な使い方>
・発表会や舞台前 → 麦門冬湯で潤いを確保
・長時間の仕事の後 → 桔梗湯で炎症鎮静
・普段から → 養陰清肺湯など体質改善目的の服用
市販薬との違いと注意点
・市販薬(トローチやスプレー):即効性があり、一時的な痛みや炎症を抑えるのに有効
・漢方薬:局所症状だけでなく、体質や全身のバランスから改善を図る
ただし、漢方薬も体質に合わなければ効果が出にくいことがあります。自己判断で長期服用せず専門家に相談することが望ましいです。
まとめ
のどの不調は「乾燥・炎症・痰・声枯れ」など多岐にわたりますが、東洋医学ではそれを「気血水や五臓の乱れ」「外邪の侵入」として総合的にとらえます。
・症状ごとの代表的な漢方薬を知る
・体質に合わせた処方を選ぶ
・声を使う人は予防的な活用も考える
・市販薬と漢方を上手に使い分ける
のどの健康を守るには、「今の症状」だけでなく「未来の声」を意識した体質改善が重要です。
気になる方は、ぜひ漢方専門の赤玉漢方薬局へご相談ください。
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